現代の写真表現を紹介するシリーズ「あざみ野フォト・アニュアル」2018 年度の企画展は、長島有里枝の個展を開催します。
本展の構想は、2008年8 月から2009年7月にわたって文芸雑誌『群像』に連載され、2009年に単行本化された短編集『背中の記憶』を起点としています。四世代にわたる家族の記憶を丹念に拾い上げたこの自伝的作品では、自身の幼少時代の記憶を基にした物語が生き生きと語られ、随所でカメラのレンズがフォーカスを絞るように、写真的イメージを想起させます。
この展覧会は、『背中の記憶』の通読に応じてくださったある全盲の女性との対話から得たインスピレーション、長島が常々写真表現に感じているいくつかの疑問点等をコンセプトの中心に据え、近作や未発表作、インスタレーション作品により構成されます。「写真」と「テキスト」を従来とは異なる関係性において捉えようとする、長島初の意欲的な試みとなります。本展における「写真」と「テキスト」は、それぞれが補完しあうものとしてではなく、一つの契機を共有する、異なる自立した表現として立ち現れることでしょう。
<開催期間>
平成31年1月26日~2月24日
<開催時間>
10:00~16:00
<問合せ>
045-910-5656
<URL>
https://artazamino.jp/event/azamino-photo-20190126/