荏田宿の旅籠(はたご)柏屋(現青木正一家)に一括保存されていたまねき看板。大山講(おおやまこう)関係30枚・富士講(ふじこう)や愛染講(あいぜんこう)等12枚の計42枚がある。寺社参詣は講という団体を組んでその代表が参詣する代参(だいさん)というかたちが一般的だった。まねき看板は代参者が旅籠に宿泊するたびに入口に掲げたもので、旅行の目的や講中(こうぢゅう)の表示を兼ねている。荏田宿まねき看板は大山講関係が大部分を占め、その制作年月から夏山詣りに際して新調されたことが分かる。制作年の記録があるものでは、大山講関係の文化3年(1806)、富士講関係の享和元年(1801)が最も古く、最も新しいものは大山講の文久2年(1862)である。横浜市歴史博物館に常設展示されている。
横浜市歴史博物館所蔵
横浜市歴史博物館写真提供