荏田町の真福寺(しんぷくじ)蔵。もと、境内にあった釈迦堂の本尊であったもので、京都清涼寺(せいりょうじ)の本尊をまねて彫られた清涼寺式の釈迦像である。榧(かや)と考えられる材を用いた寄木造(よせぎづく)りで、頭髪を渦巻状にまとめ、両肩を覆う衣は同心円状の細かい衣文(えもん)、大腿部には茶杓形(ちゃしゃくがた)の衣文を配し、両手は施無畏印(せむいいん)・与(よ)願印(がんいん)を結んで直立する清涼寺式の特徴を備えている。また、この像は切れ長の眉や眼、への字にかたく結んだ唇などの特徴的で個性的な表情をしている。
時代:鎌倉時代 法量:像高162.0㎝
写真提供:横浜市教育委員会